おかしいな?と思ったら

精神的な病気がどういったものか知ってほしいと思ったので、自分の経験や感じたことをベースに病気のことを書く。勉強不足な点も多々あるので、興味を持ったり自分もそうかな?と思ったら各自で調べてほしい。

 

症状が出始めてから病院に行くまで
昨年の4月頃に仕事の中でアシスタント的な立ち回りを外れるようになり、先輩に自分の指導をしてもらいながら仕事をしていた。その時期から時間に追われたり厳しい指導があったりしてプレッシャーを感じると、無意識に呼吸が浅くなったり手が震えたり手汗が多くなったりした。普段はなんともないのだけど。
その1年後、上記の症状に加え、集中力が切れやすくなり、よく考えることができなくなっていた。それまでプレッシャーを感じないと出なかった症状が、職場にいると常に実感できるようになった。さすがにおかしいと思いネットでいろいろ調べたり簡易的なテストをしてみると、精神的な不調だということで心療内科に行った。

 

病院に行ってから現在まで
心療内科でも「職場が原因の軽い不安障害」と言われ、まずは少ない抗不安剤で様子を見ることになった。薬の効果はてきめんで、てきめんということはやはりそういうことだという確証を得た。また土曜と日曜の夕方までは症状が現れず薬は必要なかったので職場が原因だということは確実だった。そこで初めて会社に相談して仕事量を定時で上がれるよう調整してもらった。
1ヶ月様子を見たが、薬がないと症状が現れてしまうので、本格的に退職に向けて動き出した。退職する2週間前あたりが一番辛くて、薬の量を増やしたのと一日に一回は会社で横になっていた。3年少しいた会社を今年の9月末に去った。11月から別の会社で働いている。
前の会社を退職してからは毎日のように続いていた症状がほとんど出なくなったし薬も必要なくなった。ただ、人の買い物に付き合ったり髪を切ってもらうなど、自分のペースで動けないときは症状が出るらしい。

 

なぜ発症したのか
多分これまでの働き方がずっと合わず無理に続けてきたものが、プレッシャーが加わり、ストレスを感じて身体に症状として出てきたのだと思う。年中一日13時間働いても大丈夫な人と、そうではない人がいて、自分はそうではない側の人間だっただけのことだ。毎日遅くまで働いていたら規則正しい生活や十分な休息は取れない。
自分以外のスタッフも慢性的な寝不足だったり時間の余裕がなかったりして、雰囲気はよくなかった。ささいなミスでも許されないし、厳しい言い方・態度で指導がある。そういったピリピリしている環境にいると、身体が常に緊張状態になってしまうのではと思う。

 

病気になって気づいたこと
ネットで調べたりする前に職場が相当なストレスになっていることは薄々気づいていたが、見て見ぬふりをしていた。会社は好きではなかったが仕事は好きだったし、根性には多少自信があったし、自分に限って精神的な不調にはならない、なっては困ると気を張っていたのかもしれない。ただよく言われる「入った会社はとりあえず3年続けてみる」の3年が過ぎ、会社を辞める後ろめたさがなくなって、これからのことを考えると素直に健康を優先するべきだと思った。
定時で上がれるようになって時間の余裕ができたので、近所をランニングしたり自炊したりしっかり眠れる時間を確保できるようになった。身体を動かしたり「ちゃんとした生活」を送ることは、精神衛生的にとてもよいことらしい。
それと不安障害以外にも様々な精神障害に興味を持つようになって、少しだが関連する本を読むようになった。調べていると違う病気でも似たような症状があることがわかった。同じように苦しんでいる人に共感できるようなったのは、病気になってよかったことなのかもしれない。

 

精神科・心療内科に行こう
なにかおかしいと思ったら精神科や心療内科に行くのがいいと思う。ただ病院も薬を出すだけの先生や一方的に考えを押し付ける先生がいるなど様々なので、下調べは大事だ。口コミで評判のところでも行ってみて「なんか合わないな」と思ったら病院を変えればいい。
いまいち踏み切れない人にはいとうせいこう氏と星野概念氏共著の『ラブという薬』を薦める。作家・クリエイターであるいとうせいこう氏と精神科・ミュージシャンである星野概念氏との診療のような対談形式の本。読みやすいし、精神科でどういったことが行われているかが雰囲気を含めて伝わってくる。第一章タイトルの「怪我なら外科、辛い気持ちなら精神科。いってみよう」はいいコピーだと思う。